第18回青春21文字のメッセージには、全国47都道府県から4,252作品の応募をいただきました。今年も学校の授業で取り上げていただくことが多く、約半数が20歳未満の方からの作品でした。都道府県別の応募数は、第1位は地元の滋賀県、第2位が京都府、第3位が東京都でした。
1次審査で500作品に絞り込み、地元有識者等による2次審査で入選100作品を選出。その中から俵万智さんが優秀賞5作品と入賞16作品を選びました。また、入賞作品の中から主催者が特別賞6作品を選びました。
《青春賞》(叶 匠寿庵)
さくらんぼみたい分け合ったイヤホンは通学路
小沼 智佳(21歳 京都府)
作品評
一つのイヤホンを分け合って、同じ曲を聴く通学路は、まさに青春だなあと思いました。Y字に分かれるイヤホンを「さくらんぼ」とした比喩が素晴らしいですね。見た目だけでなく、甘酸っぱいところも同じです。
《さわやか賞》(大津商工会議所女性会)
今、S字カーブが始まる 君の横顔が見え隠れ
上田 幸男(76歳 滋賀県)
作品評
横顔を、ずっと見ているからこその発見ですね。七十代とは思えぬときめきに感服しました。「始まる」という現在形、「見え隠れ」という言いさしの表現。これらが、まさにカーブで揺れている感じを伝えてくれます。
《ユーモア賞》(トヨタモビリティ滋賀)
このときめきはキノセイじゃなく、スキノセイ
村井 愛理(17歳 石川県)
作品評
「気のせいじゃない」なら誰でも言えそうですが「好きのせい」と掛けた言葉遊びに唸りました。気の精、好きの精、という妖精がいるような気がしてくるのは、カタカナで音だけを伝えたからでしょう。技ありです。
(俵万智さん全体評) 全国から、そしてさまざまな年代のかたから、ご応募がありました。この賞の広がりとともに、電車や駅にまつわる思い出やドラマが、多くの人々の心にあることをあらためて感じる選考でした。