第17回青春21文字のメッセージには、全国各地に加えカナダ、アメリカ、台湾からも含め5,022作品の応募をいただきました。ここ数年、世界を覆ったコロナ禍による閉塞感から解き放たれ、新たな出発への弾けるような思いを詠み込んだ作品が多く見られました。
1次審査で500作品に絞り込み、地元有識者等による2次審査で入選100作品を選出。その中から俵万智さんが優秀賞5作品と入賞16作品を選びました。また、入賞作品の中から主催者が特別賞6作品を選びました。
滋賀県知事賞
子ども切符を買った子の手に十円の跡
中西 太 67歳 滋賀県
(俵万智さん講評)硬貨の跡がつくほど、ぎゅっと握りしめていたんですね。もしかしたら初めて切符を買ったのかもしれません。その緊張感や嬉しさを「十円の跡」が伝えてくれます。細やかな観察眼が素晴らしい作品です。
大津市長賞
さり気なく譲る少年。お腹の子もそう育てたい。
つべる 31歳 神奈川県
(俵万智さん講評)「恩送り」という言葉を思い出しました。恩を直接返すのではなく、自分がされて嬉しかったことを次の誰かにして、恩を送るという考え方です。少年の思いやりが未来につながっていくようで心が温まります。
(俵万智さん全体評) 駅舎や電車が、人生の大切な場面の舞台であることを、あらためて感じました。日常的なものでありつつ、特別な空間でもあるんですね。それがみなさんの作品を通して伝わってきました。