(1)優秀賞5点と俵万智さんの審査評
《滋賀県知事賞》
ホームの端まで追いかけた。心はきっと追いついた。
石塚 裕大(18歳 滋賀県立安曇川高校3年)
作品評
映画の一場面を見るような駅での一コマです。体はホームの端までしか行けないけれど、心はどこまでも。「きっと追いついた」という表現が魅力的ですね。全体を七五調でまとめたリズムも効いています。
《大津市長賞》
電車に乗れば皆スマホ小さな平和が揺れて行く
桐山 菊子(73歳 滋賀県)
作品評
誰もがスマホに見入っている光景は、どちらかというと否定的にとらえられがちなもの。けれどよく考えれば、そんなふうにしていられるのも平和だからこそ。昨今の世界情勢を思うと、いっそう響いてきます。
《青春賞》(叶 匠寿庵)
青春は始発駅だ。いろんな駅で降りてごらん。
古子(60歳 熊本県)
作品評
人生は、まだ始まったばかり。ゴールを目指すだけが、いいとは限りません。まだまだ時間に余裕のあるうちに、たくさん途中下車をしてみましょう。若者への素敵なエールですね。
《さわやか賞》(大津商工会議所女性会)
男女の友情について語るきみ 徐行列車がすれ違う
山本貴幸(34歳 大阪府)
作品評
作者は、友情よりも恋情へと話題をすすめたいのかもしれません。前のめりな気持ちとは対照的に、ゆっくり通り過ぎる徐行列車が印象的です。人間関係も、徐行でいきましょうと言ってくれているようですね。
《ユーモア賞》(トヨタモビリティ滋賀)
六人一緒に立ち上がる。誰が譲るか譲り合う。
ぷくのママ(30歳 香川県)
作品評
席を譲らねばと思う気持ちが一致して、なんと六人が立ち上がりました。そして今度は、誰が譲るかを譲り合う。ほほえましくも心温まる一場面です。
(2)特別賞と俵さんの総評
《近江勧学館賞》
好きになるとICOCAの音すらなんかスタイリッシュ
みより(19歳 埼玉県)
《京阪電鉄賞》
朝の電車線路を挟んでLINEで「おはよう」
たまちゃん(18歳 大阪府)
《近江鉄道賞》
いつもの席で読書の君 八十歳瞼に残る平和の姿
岩谷隆司(80歳 三重県)
《信楽高原鐵道賞》
雪の始発駅。母の作った弁当が僕の背中を温める。
夜明けのパンチ(19歳 神奈川県)
《西日本旅客鉄道賞》
駆けるホームに君がいた 掛ける言葉に賭ける僕
荻野結希(15歳 大津市立堅田中学3年)
《団体賞》
大津市立堅田中学校(滋賀県)
宮城県名取高等学校(宮城県)
俵万智さんの総評
電車や駅を舞台とするさまざまなドラマを、今年もたっぷり堪能しました。始発駅というテーマを、人生と重ねてうまく表現した作品も多かったですね。
関係団体・企業
滋賀県(滋賀県知事賞)大津市(大津市長賞)トヨタモビリティ滋賀(ユーモア賞)
株式会社叶 匠壽庵(青春賞)大津商工会議所女性会(さわやか賞) 京阪電気鉄道株式会社(京阪電鉄賞)
近江鉄道株式会社(近江鉄道賞) 信楽高原鐵道株式会社(信楽高原鐵道賞)
西日本旅客鉄道株式会社(西日本旅客鉄道賞) 一般財団法人天智聖徳文教財団(近江勧学館賞)
京都信用金庫(団体賞) 大津市社会福祉協議会、びわこデザイン文化協会、他
(3)作品発表と表彰
- 作品発表・展示
- プロジェクトのHP(https://densyatoseisyun21.com/)
- 京阪電車石山坂本線の車両中吊り(1編成):2月14日~3月31日
- 京阪電車石山坂本線車両ドア横広告スペース
- 近江鉄道、信楽高原鐵道の車両(1編成):2月中旬~3月下旬
- 胸キュン商店街(ナカマチ商店街連合会):2月下旬~
- 作品集の制作 2月完成予定
- 表彰式(オンライン)
- 2月25日(土) 受賞者および関係者にて開催予定