これまでの優秀作品

第13回青春21文字のメッセージ
~制服・待ち合わせ・時代~

《滋賀県知事賞》

同じ改札制服の時は川上る鮭 私服の時は熱帯魚

清水 真志歩(13歳 滋賀県)

俵万智さんの
作品評

通学の時は、みんなと同じ制服を着て時間ギリギリいっせいに同じ方向に向かう。そんな自分は、まるで産卵に戻る鮭。友だちやボーイフレンドと待ち合わせる私服の時は、色鮮やかな熱帯魚。 同じ改札なのに、シチュエーションによって、自分がまったく別に思えるという感覚が、みごとな比喩で表現されています。

《大津市長賞》

なじみのあるこの駅に、来年制服で行くからね

大熊 ことね(12歳 埼玉県)

《青春賞》

僕の手が吊り革ならば、君と手をつなげるのに。

岡本 紗穂(15歳 滋賀県)

《さわやか賞》

約束の二時間前の改札に君も来ていた初デート

中川 潔(55歳 福井県)

《ユーモア賞》

170円で買った、20分限定の帰路デート。

宇都 翔太(16歳 滋賀県)

《近江勧学館賞》

いつも待たされた僕の影まるで日時計のよう

九十九仁(54歳 滋賀県)

《京阪電鉄賞》

門限の電車に急ぐ二人乗り 背中で見えた大花火

アキ(51歳 滋賀県)

《近江鉄道賞》

路線図と睨めっこ 次の次の次の次で君に会える

成江 明(27歳 茨城県)

《信楽高原鐡道賞》

皆がスマホを触る中、本に夢中な君に恋をしていた

松島 直樹(17歳 兵庫県)

《団体賞》

大津市立日吉中学校(滋賀県)
第一学院高等学校 中目黒キャンパス(東京都)

俵万智さんの
作品全体評

年々、若い人の活躍が目立ってきましたが、今年はついに知事賞と市長賞が十代のお二人となりました。頼もしいことです。もちろん、中高年の甘酸っぱさも健在。作品を読んでいると、まさに今も、多くのドラマが電車や駅で生まれているのだろうなあと実感されます。