電車と青春21文字のメッセージ

これまでの優秀作品

電車と青春21文字のメッセージ2016 ~初恋・これから~

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

電車って、恋が芽生える温室かもね。

志村 紀昭(51歳 愛知県)

恋の種が落ちても、環境が整わなければ、芽生えることなく枯れてしまうでしょう。電車は、恋が芽生え、よく育つ温室だという比喩に、とても説得力があります。今回の入選作の数々を見ても、それは明らか。多くの人の心にあるものを言葉にすることに成功した作品です。

《優秀作品…初恋賞》

もう少し話していたいけど制限時間はあと二駅

井田 菜摘(15歳 滋賀県)

《優秀作品…MAKE YOUR SMILE!賞》

車窓に映るあなたと私、内緒の写真たて

北園 淳子(42歳 大阪府)

《優秀作品…大津市長賞》

出発と共に心が動き、停車と共に覚悟を決める

野澤 佳奈(17歳 東京都)

電車を舞台にした素敵なストーリーが、今年もたくさん寄せられました。応募される人の地域が広がったためか、ICOCAが登場したり、ビール電車や無人駅が出てきたり、幅の広がりを感じました。

一方で、出会いや別れの場であることの普遍性も、しっかり伝わってきました。石坂洋次郎賞受賞作は、長年この賞の選考をしてきて実感したことを、言い当てられたように思いました。

電車と青春21文字のメッセージ2015 ~涙・初恋~

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

電車が少し揺れる 二人の鞄がそっとキスをする

竹内 喜一(37歳 大阪府)

電車の揺れによるハプニングのなかでも、際だっていた作品です。鞄が触れあうことを「キス」ととらえた瞬間に、どきどきしてしまいますね。作者のどきどきを共感できるところが、大きな魅力です。

《優秀作品…初恋賞》

最後の定期 君と会える有効期限

ゆうこ(61歳 滋賀県)

《優秀作品…さわやか賞》

貴女が下車する一分前 喉元に好きが込み上げる

茂木 意(17歳 山形県)

《優秀作品 MAKE YOUR SMILE!賞》

話したい 君の友達降りてくれ

中村 泰基(21歳 千葉県)

人の数だけ、そして電車の数だけ恋がある…

そんな印象を受けるほど、さまざまな恋愛模様が、今年も届けられました。昨年につづき、若い人の健闘が目立ちましたが、年配のかたの言葉の工夫にも注目させられました。

電車と青春21文字のメッセージ2014 ~友だち・初恋~

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

満員電車も君とだったらアトラクション

佐藤 友紀(21歳 兵庫県)

アトラクションの一言で、電車が遊園地に早変わり。揺れようが、押されようが、心は楽しいのです。マイナスをプラスに変える恋の力が、電車を舞台にみごとに表現されています。

《優秀作品…初恋賞》

友達発、恋人行。初恋列車。只今、途中下車中

埜辺 綾香(16歳 大阪府)

《優秀作品…さわやか賞》

彼女は改札機。僕の心の切符を吸い込んだ。

河田 周平(27歳 富山県)

《優秀作品 MAKE YOUR SMILE!賞》

喧嘩してもどうせ会う。あの電車は仲直りの場

細川 美羽(12歳 滋賀県)

電車は青春の舞台。そして恋の舞台。特別な旅行のために乗るのではなく、日常のものとしてある電車だからこその作品が、多く寄せられました。

今年は特に10代のがんばりが印象に残りました。

電車と青春21文字のメッセージ2013 ~家族・初恋~

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

止まる進むまた止まる 恋も電車もそんな調子

濱田 佳花(14歳 滋賀県)

止まる進むまた止まる 恋も電車もそんな調子、そして人生も…と共感しました。電車と恋の重ね合わせが、リズミカルな表現で、とてもうまくいっています。

《優秀作品…初恋賞》

声をかけようと席を立ち できずに降りた途中駅

河井 明彦(45歳 埼玉県)

《優秀作品…さわやか賞》

告白の勇気をくれた発車ベル

小林 功(53歳 千葉県)

《優秀作品 MAKE YOUR SMILE!賞》

自動改札って不便だね 手をつないで通れない

川上 智史(26歳 大阪府)

電車や駅を舞台にした、さまざまな青春のドラマを、楽しく味わいながら選考しました。

人が動き、空間が動き、風景が動く…そういう場所だから、いつも以上に心も動くのではないか…寄せられた作品を読みながら、そんなふうに感じました。

電車と青春21文字のメッセージ2012 ~ふるさと・初恋~

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

久しぶりと声がする。車掌さんは初恋の人。

中川 栄美(41歳 愛知県)

車掌さんと乗客。長い時の流れのなかで、変わるものと変わらないものとか表現されていて、とても印象深い作品でした。覚えていてくれたということは、車掌さんにとっても、作者は記憶に残る人だったのでしょう。

《優秀作品…初恋賞》

降りる駅ひとつ伸ばし、初めて見る恋の景色

川島 裕子(23歳 徳島県)

《優秀作品…さわやか賞》

一両目から「おはよう」のメール来る

岡田 弘子(53歳 神奈川県)

《優秀作品 MAKE YOUR SMILE!賞》

会えば♯会えなきゃ♭ 胸の音符は揺れ続け

海野 兼夫(61歳 埼玉県)

駅や電車というのは、古今東西の映画や小説でも、重要な舞台となっています。人と人とが出会い、別れ、また出発し、帰ってくるところ。特にふるさとの駅は、時間の流れをこえて、人々の心のよりどころとなっているのだなあと、みなさんの作品を読みながら感じました。せつない恋や、なつかしい思い出を乗せて、今日も電車は走っていることでしょう。

電車と青春21文字のメッセージ2011 ~初恋・ありがとう~

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

約束の駅 電車が停まり 僕の心が走り出す

松山 宏己(50歳 滋賀県)

約束の駅についた時の高揚感が伝わってきます。停まると走り出すの対比が、とてもうまくいっていると思いました。「よし!」という心の声が聞こえてきそうです。

《優秀作品…初恋賞》

電車に乗り あなたを探す毎日が 恋の1時間目

岡本 真美(16歳 滋賀県)

《優秀作品…さわやか賞》

君が席を譲ったのは 私のおばあちゃんでした

星野 まい(30歳 神奈川県)

《優秀作品 MAKE YOUR SMILE!賞》

たった二駅、長男がお腹の弟の座席を探す

村田 武一郎(34歳 滋賀県)

今年も、電車を舞台にした、さまざまなドラマが寄せられました。電車や駅というのは、人と人との大きな出会いの場なのだということを、あらためて感じました。そしてそのことは、時間の制限があったり、譲り合いがあったり、運命のいたずらがあったりします。人々のそれぞれの思いや思い出をのせて、今日も電車は走り続けています。

電車と青春21文字のメッセージ2010 ~初恋・親子・ひとりたび~

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

11枚綴りの回数券 あなたに会える予約券

望月 雄太(25歳 東京都)

なんでもない回数券が、恋をしている人にとっては、特別な意味を持つものになります。「予約券」という表現がとても素敵でした。回数券は、たしか10枚の値段で11枚分ですよね。その嬉しい感じも、うまく恋の気分とリンクしています。

《優秀作品…初恋賞》

初恋はいつ?そう書かれた広告の下に君がいる

末永 岳(26歳 宮城県)

《優秀作品…さわやか賞》

いつもの駅でいつもの会話、「当り前」が宝物

鳴瀧 恵梨子(16歳 兵庫県)

《優秀作品 MAKE YOUR SMILE!賞》

あと2分 走って乗った十七 もう走れない五十三

伊藤 邦代(53歳 滋賀県)

電車という日常を舞台にした、さまざまなドラマを、今年も楽しませていただきました。課題のテーマが広がったぶん、例年以上にバラエティに富んだ作品が寄せられ、選考に悩みました。場面が具体的に思い浮かぶもの、表現に一歩踏み込んだ工夫のあるもの、などが最終的には残りました。若い人の作品に、例年以上に力のこもったものが多く、それも嬉しいことでした。時代は変わっても、電車文化は受け継がれているようです。

電車と青春+初恋21文字のメッセージ2009

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

隣に座った君を見ず 窓に映った君を見る

重本 健吾(21歳 大阪府)

大好きな人の存在を隣に感じながら、直接は顔を見ることのできない初々しい恋心。電車ならではの状況を生かした「窓に映った君を見る」が効いています。対になった言葉が、心地よいリズムを生みだしているところも、いいですね。

《優秀作品…初恋賞》

行かないで、ドアが閉まれば言えるのに

橋本 美幸(20歳 宮城県)

《優秀作品…さわやか賞》

二駅を遠距離と泣いた眩しき日

橘 真子(20歳 京都府)

《優秀作品 MAKE YOUR SMILE!賞》

電車って助手席よりもくっつける

太田 久美子(23歳 新潟県)

電車や駅は、青春の舞台であることを、今回もたっぷり味わいながらの選考となりました。出会い、別れ、初恋、思い出……。今日も、さまざまなドラマを乗せて、電車は走っていることでしょう。今年は特に、若い人の健闘が目立ちました。もしかしたら携帯メールの効用でしょうか。短い言葉で表現することに、とても慣れていて、積極的だなあと感じました。

電車と青春+初恋21文字のメッセージ2008

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

あなたと乗った三年間 各駅だけど特急だった

奥川 晃好(38歳 和歌山県)

好きな人といると、時間はあっという間。各駅と特急という言葉の使い方が心憎いですね。三年という時間も、特急で過ぎたのでしょう。

《優秀作品…初恋賞》

毎朝、一駅だけのデートをあなたは知らない。

押田 明子(38歳 埼玉県)

《優秀作品…さわやか賞》

毎日乗るこの緑の電車が、もう一つの学校

西山 春花(16歳 滋賀県)

《優秀作品 はつらつ賞》

この揺れが心をあの日へ連れてゆく

吉田 洋和(47歳 神奈川県)

のんびり走っているように見える電車のなかで、実にさまざまなドラマが展開していることを、今回も実感しました。青春の舞台としての電車は、今日もあまずっぱい思いを乗せて走っていることでしょう。全国から寄せられた「思い出のひとこま」は、年齢層も多岐にわたっていて、それぞれが魅力的なものばかりでした。読む楽しみが大きかったぶん、選ぶ苦労のほうも大きくなりました。

電車と青春+初恋21文字のメッセージ2007

《最優秀作品…石坂洋次郎青春賞》

好きもさよならも 同じ駅。

山下 祐輝(24歳 東京都)

簡潔な言葉の中に、無限のドラマを感じさせる作品です。読む人一人ひとりの胸の中に、それぞれの「好き」と「さよなら」の場面が広がることでしょう。

《優秀作品…初恋賞》

二千回も乗ったのに、一回も話ができなかった

後藤 順(53歳 岐阜県)

《優秀作品…さわやか賞》

うろこ雲 電車の窓にレース編む

本田 しおん(15歳 東京都)

《優秀作品 はつらつ賞》

電車間もなく 発車します 告白の方 お急ぎ下さい

平松 泰輔(32歳 北海道)

圧倒的に、恋にまつわる作品が多く、電車というものが、いかにさまざまな恋の舞台になっているかということを、あらためて感じさせられました。実った恋、片思いのまま終わった恋、失われた恋……。それがどんなものであれ、舞台となったホームや車内の風景は、思い出をいろどるものとして、永遠の人の心にあるのだなあと感じます。私自身も高校の三年間、電車通学をしていたので、そのころを懐かしく思い出しました。